愚者
人間は愚かである。
まずはそれを自覚すべき事柄の最優先事項である事を頭に入れて欲しい。
我々は様々なもの、事に手を"出し過ぎた"。
恐らく自分達で築き上げたものが火種となり、自らで身を滅ぼすこととなるだろう。
人間は何かに縋らなければいけないという固定概念を植え付けている。
死ぬ間際でさえ、「まだ死にたくない。」と何もない何か、まさに無にしがみつく。
助けを乞う。自分にはないものを補おうとする。
常識に囚われる。
誰かが暦を作った。何者かが時間という制限を生み出した。
あたかも”最初から存在していた”といわんばかりに。
自分で自分の首を絞めている。自傷行為を合間なく行っている。
便利であることは確かである。
しかし、
暦を作ったことで”老い”を絶え間なく実感してしまう。
時間を作ったことで、何かから幾時も追われる羽目になる。
心の余裕は完全に葬り去られた。
自由を謳っている我々だが、そんなものは傍から存在しないのだ。
全生物の中から唯一知識が特化してしまったがために、幾多の試行錯誤をしたが故に発生してしまった当然の結末といえよう。
得ようとし過ぎた。
それが愚かと云う事か。
果たして世界はどうなる?
____見据える前に、この身は果てるが________。